公開: 2021年4月28日
更新: 2021年5月23日
公的年金である厚生年金を管理していた社会保険庁は、そのための情報システムの更新のために、大々的な新システム開発を数回、繰り返している。その過程で、複数の年金制度を一元化して、同一の情報システムで自動処理を行えるようにした。このシステムの統合に伴い、従来は別々の年金制度で使われていた年金番号を統合する必要が生じ、現在は統合された年金番号が採用されている。
年金番号が統合されたとき、統合された情報システムの処理のために、従来使用されていた年金番号に関係した情報を、新しい年金番号と一緒にして、情報システムに登録しなおさなければならない。この登録のし直し作業で、膨大な数の受給者の情報を再登録をせずに、新システムを運用していたことが判明した。その見送られていたデータの再登録作業を、手書きの原票を見直し、追加登録するために、海外の業者にも作業を委託せざるをえなかったため、政府は1年以上の時間と多大な予算をかけなければならなかった。